JPC関西特別講演会(天野浩先生ノーベル賞受賞記念) 「Energy Savingを支えるGaN光デバイス」開催報告

The Report of The Memorial meeting for Nobel-prize Winner, Prof. Hiroshi Amano on GaN-Optical Devices Contributing to Energy Saving.

概要

1.はじめに
2015年2月24日(火)大阪新阪急ホテルにて、天野浩教授がノーベル物理学賞を受賞されたのを記念に、NPO法人日本フォトニクス協議会関西支部(JPC関西)と大阪大学光科学センターが主催、レーザー学会が共催、テーマは「Energy Savingを支えるGaN光デバイス」としてJPC関西特別講演会を開催したので、概要を報告する。

2.概要
関西では初めての天野先生ノーベル賞受賞記念講演会であり、参加者は関西を中心とした光フォトニクス関係者、官学、一般など約200名であった(写真.1)。最初に、主催者を代表してJPC関西中井貞雄支部長の挨拶があった(写真.2)。引き続き、近畿経済産業局関総一郎局長が来賓を代表して挨拶し、JPC関西の活動概要と本講演会に期待するところを述べた(写真.3)。
その後、関西の企業3社および大阪大学から講演があった。今矢明彦氏(シャープ株式会社)より「新たな光源市場を開拓してきたLED」、平野嘉仁氏(三菱電機株式会社)より「化合物半導体デバイスの応用について」、久保実氏(パナソニック株式会社)より「GaNデバイスとその応用(レーザーからパワーまで)」、主催者の山本和久氏(大阪大学光科学センター)より「可視光GaN半導体レーザー応用(照明からディスプレイ)」のテーマで講演があった。それぞれGaNデバイスの応用例を具体的な技術や製品として分かり易く紹介された。詳細は省くが、天野浩教授の研究成果をGaNデバイス関連産業として各企業が立派に育成し、我々の日常業務や生活の利便性や快適性を高めるだけでなく、省エネを通じた環境貢献を推進していることを分かり易く説明いただいた。なお、天野浩教授から各講演に対しコメントをいただき、参加者の理解を高める工夫も行った。
そして天野浩教授より特別講演「Energy Savingを支えるGaN光デバイス」があった(写真.4)。前半はノーベル物理学賞受賞決定の瞬間からの人生の激変、ストックホルムでの厳密な管理下での苦労話や授賞式でのプレッシャーなどを含めて、本人曰く「普通のオッサンがノーベル賞を受賞したらこの様になった・・・」という興味深いエピソードで会場は大喝采となった。引き続き、ノーベル賞受賞に関係する研究内容についての話があった。GaNを用い青色LEDができるまでの苦労話および発明、発見に至る経緯などが紹介された。
最後に主催者の1人として兒玉了祐センター長(大阪大学光科学センター)より、光科学における天野先生とのこれまでの関わりと今後の期待含め閉会の挨拶があった(写真.5)。
講演会終了後、天野先生を囲んで受賞記念祝賀パーティーが開催された(写真.6)。参加者から天野先生の偉業を称える話、各種イベント、天野先生の御礼の挨拶(写真.7)などがあり、大変盛り上がった。

3.雑感
天野先生は、ノーベル賞受賞決定後、超過密スケジュールの中、関西で初めてとなる記念講演会に出席いただいた。我々には初めてであるが、天野先生には何十回目の記念行事であるにも拘わらず、非常に丁寧な講演に加えて懇親会では参加者へのサービスにも余念がなく、主催者としては感謝感激に尽きない。その翌朝は海外出張に飛び立つという超多忙を物ともせず、楽しんでおられる姿が印象的であった。

4.おわりに
本特別講演会には、産官学から一般まで幅広い分野の方々に多数参加いただいた。この講演会を3ヶ月間に亘って準備に携わった実行委員会として、厚くお礼を申し上げる。この機会が、天野浩教授や主催者と参加者間の情報交換や交流の場になると共に、関西の光関連産業のさらなる発展に繋がることを期待する。
なお、本講演会の開催により排出された温室効果ガスを、大阪市内において照明のLED化等で創出されたCO2クレジットでオフセットした(資料.1)。これは、環境省が推進する「カーボン・オフセット制度」を利用したもので、JPC関西は、今後も環境貢献に取り組んで行く予定である。

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