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February 1, 2002
光無線についての分かりやすい解説
100Mb/s光無線LANシステムのスループット評価報告

光無線のメリットとして、


  1. 無線でありながらスループットが高い
  2. OSに依存せずドライバ等は不要(勿論ドライバの更新も不要)
  3. 室外に対する漏洩が少なくセキュリティが高い
  4. 隣接エリアへの漏洩が少ないため、セグメント分割すればお互いに干渉すること無く、 膨大な数のPCが接続可能
  5. 医療機器等、電磁波の影響を受けやすい機器とも共存が可能
等があげられます。

しかし、1 の「スループット」についてのデータは、今までなかなか公表されることはありませんでした。 そこで、100Mb/s光無線LANシステムを用いて、

試験1: 回線としての光無線LANの限界性能 (スループット測定)
  光無線の回線に最大何Mb/sの信号まで通せるのか
     
試験2: 有線LANとの使用感・性能比較 (ファイル転送能力)
  実使用状態で有線LANに対してどの位の使用感なのか

について測定してみました。以下のデータは、ICSAの会員日本ビクター(株)の提供によるものです。



 試験1: 回線としての光無線LANの限界性能

  測定には、Netcom_system社製の Smart_bits と言う測定器を用いました。(図参照)

測定データ

フレームサイズ:1518Byte
  (最大フレーム長)
  (スループット値はヘッダ部も含めた値)

子機から親機へ 93.28Mb/s
親機から子機へ 95.20Mb/s
有線の場合 98.72Mb/s


  • この測定はイーサネットの18Byteのヘッダ部およびFCSコード等を含み、更に上位層のヘッダ等も含まれています。
  • つまり、この転送レートはイーサネットの信号としての最大値であり、ファイル転送等の場合とはちょっと違います。
  • 従って、有線LANの場合も光無線LANの場合も、(上位層に関係のない)最良の条件で回線の能力を測っていることになります。


 試験2: 有線LANとの使用感・性能比較

  では、実際に使ってみた感じはどうなのか・・・・

4台のPCを使ったファイル転送で実験してみました。
具体的にはファイル転送の方向を決めて、かかった時間で割る(実測値)方法をとります。1台のPCでは回線の限界にはほど遠いので、今回は(データの衝突が起こりますが)2台で測りました。勿論測定用に台数を増やせばもう少し回線の限界に近い値を出せますが、PCの同期とか・・・手間がかかりますので、今回は2台だけで測りました。

◆ 実験システムは、下図のようになっています。 (2台のペアを両方Downで使った例)

 

回線を流れるデータ量は、グラフにあるように有線ネットワーク機器に較べて遜色の無いレベルと言えます。
 
一方話題の電波無線LANについては Watch_Impress (第123回:いよいよ登場した54Mbps無線LANを試す)に性能測定(●実測値で18Mbpsの転送速度)が載っていますので、関心のある方はそちらも併せてご覧下さい。


 ◆ 測定PCについて
  • OSはWindows2000
  • MTU値=1500バイト、RWIN値=16KB
  • データ送り側PC:PentiumIIIの800MHz
  • データ受け側PC:Celeronの500MHz



 <ご参考まで>

ここで、高性能とされるスイッチング・ハブではなく安価なシェアード・ハブを比較の対象に用いた訳は、光無線の親機は幹線に繋がることが多く、通信のトラフィックは幹線に通じる ポート(上の測定システム図の太い縦線)に集中する傾向があるためです。
こうした系では、スイッチングハブよりシェアードハブの方が良好なスループットを 得やすいので、今回はシェアードハブを比較の対象としました。
(参考: 日経NETWORK2001年6月号P126「ネットワーク実験室」より)

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