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TOPICS-02009 March 15, 2002
No.7
株式会社電通国際情報サービス(ISID)

「ISID, Forever New」を合言葉に、常に新たな市場創造に挑戦 
 

■創業の経緯  なぜ電通がコンピュータ関連サービスに進出したのか?

当社の事業は、電通がGEとの技術提携によりコンピュータの遠隔共同利用サービスであるTSSを行うために、1971年10月、同社内にTSS局を設置したことを端緒としています。TSSは、アメリカにあるコンピュータセンターの汎用的なソフトウェアを、ネットワークを介して顧客の端末からご利用頂くというサービスです。インターネットは不特定多数を対象にしたネットワークですが、当社は特定多数を対象にインターネットのプライベート版を提供していたと言えます。電子メールも創業時からGEとのやり取りに使っており、顧客にもメニューの一つとしてご提供していました。

電通が畑違いにも見えるコンピュータ関連サービスであるTSSに進出したのは、当時から電通は「トータル・コミュニケーション・サービス」を事業領域として意識しており、通信と情報処理の融合というTSSのコンセプトがそれと一致していたためです。当時は、コンピュータの本格利用が始まろうとする時期でしたが、コンピュータはまだ一部の専門家のものとする考えが大勢を占めており、TSSが事業として成り立つという保証は全くありませんでした。また検討を始めた時点では、公衆網を商用目的に使用することはまだ禁じられていました。にもかかわらずTSSへ参入したのは、今日の情報社会を予見し、またその中で情報通信の果たす大きな役割をも予見したからに他なりません。

TSS局は75年に電通国際情報サービスとして独立し、会社設立後の数年間はTSS一本でビジネスを行なってきました。しかし80年代に入って、大型コンピュータの価格低下とPCの出現によりコンピュータ・リソースの共同利用というTSSの発展が期待できなくなりました。こうした変化に対応し、システム開発、パッケージソフトウェアの販売、VANサービスの提供など、情報サービス関連分野で多角化を図り事業分野を広げてきました。現在では、顧客のビジネスパートナーとして、ソフトウエアのみ、ネットワークサービスのみといった単体でのサービス提供でなく、システム・コンサルティングから、企画・開発・運用・保守まで、ITの先進的な活用を支援する総合的な解決策=ソリューションを提供しています。

■ターゲット分野  どのような分野が得意なのか?

当社は創業時から、ターゲットとする業界/業務を絞って専門特化することで業務知識とシステムノウハウを蓄積し競争力向上を図ってきました。ニッチではあっても、深く掘り下げれば十分リターンが見込める付加価値の高い「ニッチ&リッチ」な分野がターゲットです。

金融業の国際業務あるいは決済業務、製造業の設計・開発業務、マーケティング業務など、業界/業務を絞り専門特化することによって業界業務知識とシステム化ノウハウ蓄積して競争力向上をはかっています。

大手都銀のインターネットバンキング・システム、航空会社の顧客管理システム、ファストフード・チェーンの全社システム、大手自動車メーカーや精密機器メーカーの設計・開発業務の抜本的改革支援などの分野が代表的なものです。また、ブロードバンド関連では、映像をはじめとするデジタル・コンテンツ配信の実証実験で実績が出始めています。

■成長戦略  中長期的にどうやって成長していくのか?

IT不況といわれていますが、携帯電話やパソコンの需要減速により影響を受けているのは、半導体製造やパソコン製造などのハードウェア部門で、IT関連のソフトウェアやサービス分野は堅調です。景気の不透明感は強いですが、勝ち組を目指す企業のIT投資は続くでしょう。当社では、そうした勝ち組を目指す企業のシステム・ニーズは今後ますます大型化すると見ています。対応するには規模拡大が必要なので、グループでの規模拡大を目指していきます。

数字的には、2003年度に連結で1,200億円、経常利益120億円、ROE(株主資本利益率)12%を中期経営目標に掲げています。これら数字を達成するには、2000年度を起点にすると売上高で年平均伸び率約30%、経常利益で年平均伸び率約40%が必要です。

そこで戦略ですが、柱が3つあります。まず、経営資源の選択と集中。当社の主力分野である金融業及び製造業を市場としたソリューション分野、来るべきブロードバンド時代に対応する新規事業分野等に、経営資源を重点的に投入します。また、コアプロダクト育成のための製品開発投資も積極的に推進していきます。自社開発のソフトウェアプロダクトとして、連結決算支援、日銀のRTGS(即時グロス決済)支援、T+1(証券翌日決済)支援などがあり、顧客企業から大きなご支持をいただいております。これらに続くソフトウェアを開発し市場投入していきます。

次に、グループ経営の推進。顧客企業にトータル・ソリューションを提供するための最先端IT(情報技術)の取得、コンサルティング力やマーケティング力の強化、ビジネス領域の拡大、技術者層の拡充等、経営資源の補完や経営効率向上を通じて持続的成長を堅持すべく、資本提携、合弁企業の設立等を積極的に推進していきます。特に事業シナジーが見込める投資を原則とし、連結効果のある資本提携を第一のプライオリティとして提携企業を探していきます。

そして3つ目が、E(ラージ・イー)−ビジネスへの注力です。伝統的大企業がインターネットを中心としたITを活用し、本業の業務プロセスを革新することにより新しいビジネスモデルを構築することを一般にE−ビジネス化と呼びます。当社では、今後、E−ビジネス・ニーズは、規模、スピード、多様性等すべてにおいて拡大していくと考えています。こうしたニーズに応えるため、経営戦略立案(e-ストラテジー)、システム構築(e-テクノロジー)、マーケティング・ノウハウ(e-マーケティング)の統合により最適なソリューションを提供していきます。

■グローバル・ビジネス  
社名に国際が入っているが、グローバルなビジネス展開をしているのか?

当社は、86年にロンドンに拠点をつくったのが最初で、その後、アメリカ、香港、シンガポール、ベルギー、マレーシア、上海と展開してきました。

情報サービス業界では海外展開する企業は少なく、また拠点をもっている企業でも親会社の仕事がほとんどというのが大半です。そういう中で、当社の海外拠点は、単に親会社である当社の仕事だけでなく、現地の日系企業を中心に独自に現地での仕事をとる動きに加えて、情報収集、ITベンダーとの提携に関する調査など自立したビジネス展開を行なっています。

今後は、各国ごとにやり方を変えていくつもりです。例えば、アメリカでは日系の金融機関がメイン顧客で、この分野の優良顧客をきっちりとフォローしつつ、日系企業だけでなく、現地企業への食い込みを狙っています。今年、現地の企業と合弁で金融関連のパッケージソフトを開発する会社を設立しました。現地のニーズに合ったパッケージを開発し、それを武器に現地の企業に切り込んでいきます。

また、香港、シンガポール、マレーシア、上海では、従来日本のみで販売していたCAD/CAM/CAE/PDMソフトウェアの販売権を取得し、現地に進出した日系企業をターゲットに売り込みを図っています。アジア地域へは多くの日系製造業が進出しており、設計・開発拠点として重要な地位を占めつつあり、日本と同じ技術支援サービスを現地で提供できるということがセールスポイントになります。

■企業理念

当社は、「誠実を旨とし革新的で創造性あふれる専門家集団として、情報技術の先進的活用により顧客企業と社会の発展に寄与する」ことを企業理念としています。IT Solution Innovator =ITソリューションビジネスの革新者として、株主・顧客・パートナー・従業員などステークホルダーの利益に貢献できる企業でありたいと考えています。

タイトルにある「ISID, Forever New」は、常に自己革新に挑む気概を表現した企業スローガンです。このスローガンのもと、グローバルに評価されるワールドクラスの企業を目指していきます。

電通国際情報サービス(ISID) 経営企画部
土肥篤郎

電通国際情報サービス(ISID)のWebサイト  http://www.isid.co.jp


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