Question
Point to MultiPoint通信方式には大きく分けて直接光を利用する方式と、反射光を積極的に利用する方式があると思います。ここで、質問なのですが、直接光を利用する長所と短所、反射光を利用する長所と短所を、それぞれ教えていただきたいので、よろしくお願いします。
Answer
ポイントtoマルチポイントの通信方式(P−MP方式)を取る光無線方式を採用している商品は日本ビクター、昭和電線電纜、東洋電機などから発売されています。内容は以下のホームページをご覧下さい。
http://www.jvc-victor.co.jp/pro/lan/index.html
http://www.swcc.co.jp/products/wireless/index.htm
http://www.toyo-elec.co.jp/clean.htm
P−MP方式はご指摘のとおり、直接通信と、反射通信に二分されます。
直接通信は上記三社が採用している方式で、以下の利点、欠点を有します。
直接通信
利点 |
- 直接伝送なので、パワーロスが少ない。小型化が可能です。
- 見通し確保の条件で伝送距離仕様以内に設置すれば良いので、設置設計が容易です。
- 伝送がシングルパスであり、マルチパスによるフェージングがおこらないので、10Mbpsを超える伝送の場合は、有利な方式です。
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欠点 |
- 必ず見通し確保での設置が要求されます。また遮蔽耐性は低いので、人の遮り等で通信断が生じます。必要により、高い位置に設置するなどの対応が必要です。
- MP側の光伝送部をP側の光伝送部に対向させる必要があります。自動または手動で行う機構が必要で手動の場合は方向調整に多少の手間がかかります。
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反射式
一方、反射式の利点、欠点は直接通信の裏返しとも言えますが、以下の通りです。
利点 |
- 見通し確保は要求されません。ある程度の遮蔽耐性は確保できます。
- MP側の光伝送部をP側に対向させる必要はありません、または大雑把に向けるのみで良いので、設置の手間は少ないと言えます。
- P側(サテライト)の設置場所を限定されません。直接方式ではP側を天井や壁の上方に設置する必要がありますが、反射式では机の上に設置することも可能です。
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欠点 |
- 反射によるパワーロスが発生します。補うため、機器が大型化する傾向があります。
- 反射経路を取るので、伝送距離が増加します。机→天井→机 場合によっては直接式の2倍の伝送距離となることがあります。
- 天井材の材質構造により反射率が大きく変動するので、設置設計が難しい傾向があります。
- 高速伝送では、マルチパスによるフェージングが問題となり、10Mbps以上の伝送では性能の確保は難しくなります。遅延等化等の処理等が必要と考えられます。
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以上のことから、現状は直接伝送方式を取る製品がほとんどであり、反射式のものは見当たりません。
なお、昭和電線電纜で販売しているものに反射式のものもありますが、MP−Pでは無くトポロジーとしてはP−P形態で、n対nを達成したものです。