Question
回答の中に視程計を利用した方法が一番とありますが、気象台や視程計のメーカーに伺った内容によると、視程計は計測器が設置されているその場所の計測は可能であるが、数キロの区間となるとその分多くの設置台数が必要とのことでした。現在まで計測をいろいろと実施されていると思いますが、視程計の計測値と実際に目視での計測では大きな違い発生するのでしょうか。宜しければご意見をお聞かせ願えないでしょうか。
Answer-1
気象台では従来目視で視程距離を計測しており、一部計測器が導入されつつあるようですが、目視計測を行なっているところの方がまだ多いようです。従って、計測器と目視の差はあまりない(特に光無線で重要となる悪視程状況では)と考えて差支えありません。
Answer-2
ご指摘のように、視程を正確に測定するためは伝搬路上の透過を測定する必要があります。
我々の実験の目的は気象台と同等のデータを得ることではなく、実際に光無線の設置に際して回線設計に必要となる視程データとして設置場所に近い気象台のデータが参考になることを検証することにあります。
この目的のために、今回の実験では、通信拠点の両側に視程計を設置して測定した両拠点間の視程の相関と、竹橋にある気象庁の視程データとの相関を見ることで、それぞれの測定データ間に相関があることを検証することにあります。実際の測定データにおいてもそれぞれの相関係数が約0.9〜1.1と強い相関があることが確認されています。まだ、一地域での実験データであり全ての地域で保証できるものではありませんが、今後いろいろな地域でこのようなデータを積み上げていく行くことが必要だと思います。
今回、視程計を使ったのは自動的で連続したデータを得ることが出来るためであり、光無線の弱点である気象の影響と障害の原因への対応を取るための一つの実験方法です。この実験結果からある程度、実際の設置区間の視程データがなくても近くの気象台の視程データを使って回線設計が可能であることの実証データのひとつが得られたと考えています。