Question
ビルの屋上に設置する光無線は場所によっては望遠鏡や双眼鏡等を使用し一般住民の方が覗く可能性があり、倍率(集光)によって装置の出口で肉眼で覗き込む場合より高いレベルとなる可能性があると思われますが装置出口でクラス1が望遠鏡等を使用する事でクラス2以上となる場合が考えられるのでしょうか?またいままでにそういったことで設置される際に問題になったこと等は無いでしょうか、もしあればその際の対応策はいかがされましたでしょうか?
Answer
[受光レベルの安全に関して、計算上の観点からお答えします。]
クラス1の装置は、肉眼でも、50mmΦの望遠鏡でも、目に安全なレベルに光の放射レベルが設定されたものを言います。それゆえ、クラス1の装置が、望遠鏡で覗くと、クラス2になることは有りません。光無線装置の場合、受信端を含め、予想される、光ビームの覗き込みに対して安全であることが必要です。 ビル間伝送の場合は、途中の空間での覗きこみは考えにくいので、受信端での光パワー密度で考えます。出口で、直径10cmΦの光ビームが1km先のビルの屋上で、直径1mΦになっているとすると、光パワー密度は、100分の1に低下します。この場合は、送信側でクラス3Bであっても、受信端でクラス1レレベルとなり安全を保証することは可能です。
[設置上の問題事例についてお答えします]
光無線装置の受信側では、クラス1となるように光パワー密度を調整してあります。(具体的にはビーム径が拡大されています) 従って、規定されている大きさの光学装置(双眼鏡等)を使っても安全なレベルです。但し、数10cm径もある望遠鏡を使った場合は問題が考えられますが、現状では設置場所の管理者への注意以上の対応は出来ません。(この場合、近赤外光とはいえ赤く強い光が見える為、通常嫌悪反応で回避され得ます。また、一般的な光無線装置の全出力パワーはせいぜい数10mWですから瞬間的に覗いたからといって目に障害が出るものでもありません。)
こうしたことが光路上で起こる可能性として、途中のトラップは設置上ほとんどありませんが、受信点より後方で覗かれることはありえます。但し、この場合は、前述の受光レベルの低下の観点から、安全性は確保できると考えます。