Question
光無線を利用して、行政情報を流す場合、一番心配なのがデータを盗まれないかという事です。貴ホームページを見させていただきましたが、この件に関する詳しい説明がありませんでした。技術的な面もあってのことと思いますが、なぜ、外部へのデータ漏れが無いのか詳しく教えていただけるのでしょうか?
Answer
光無線を使用して行政情報を流す場合(データの盗聴を主体にして):
(A)通信回線として想定される媒体としては、
(a)メタルや光ファイバー等の物理的(物体)媒体、
(b)電波を使用しての無線回線、
(c)光無線を媒体とする光無線
があります。
(B)物理的配置(トポロジー)としては、
(a)P−Pでセンターと中継等の対向局(エントランス回線等)、
(b)P−MPで親局と複数の子局(LAN等)
が挙げられ、これらの組合せについて、コスト/工事等の設置簡易性/通信速度/信頼性/セキュリティ等々の要素が考えられますが、光無線を使用する通信形態として見ると、
(1)P−Pとしては、屋外用として1〜2kmまでの離れた機器間の通信を対象
(2)P−MPとしては、屋内用で半径10m程度の範囲で親機器と複数子機器間通信
があり、この各々によって、セキュリティが確保できる要因が異なるため、別々にお答えします。
(1) について、セキュリティは
- 光と電波の指向性の違い、レーザ光は強い指向性を有していること
- 従って、正常に送受信を行うには光軸を一致させる必要があること
と言う光無線通信方式としての特性によります。
光無線通信では、見通し範囲の対向機器へ、光のビームを絞って送信します。このため、盗聴には、通信ルート上へ受信機器を置かなければならず、盗聴の検知が可能であり、また、光軸合わせ等の作業が必要なことから、現実的に盗聴は困難です。電波の場合は、送信アンテナのサイドローブ等が発生すること、又、光無線のように極端にビームを絞っての通信は適切でないことから考えて、光無線通信が盗聴難易度が高いと言えます。
(2) について、セキュリティは
屋内等で親局から複数子機への通信を行う場合に、光の直線性と透過性の特質から、壁などの遮蔽物を通過できないため、屋外へ光信号が漏れない性質があります。電波と同じ面的な通信方式を採用した場合でも、盗聴防止効果が高い特徴があります。
但し、以上の内容については、直接に空間で媒体を傍受する事についてのセキュリティに関することで、媒体が光から電気信号に変わった後の操作される端末機器以降(通信レイヤの高い部分)については、光ファイバー、電波、又は光無線でも、セキュア・レベルは同様であり、セキュリティシステムは別の問題と考えます。