■「光」をキーワードに人類未知未踏の領域に挑み続ける
浜松ホトニクスは昭和28年、テレビジョン技術の祖・高柳健次郎に学んだグループから誕生しました。未知未踏に挑む師の精神を継承し、創業以来一貫して未知なる可能性を秘めた「光」を追い求め、これまでにも多くの製品や光技術を生み出してきました。 |
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また、同時に積み重ねた光技術を応用して、「光で何ができるか?」をテーマに人類社会に貢献するビジョンを描くとともに、実現に向けた様々な挑戦を続けています。浜松ホトニクスは「光」による新しい産業の創出を目指していきたいと考えています。
<研究・事業体制と光無線>
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浜松ホトニクスは、未来のビジョンを追いかけ、研究を進める研究所と、独自の技術開発によって生み出された製品を幅広い分野に提供する事業部とがフォーメーションを組んで、「光」という未踏の領域に多面的に切り込んでいます。
中央研究所、筑波研究所、スポーツホトニクス研究所では、光の本質を探る基礎研究から幅広い領域に係わる応用研究までを行っています。「光無線システム」もそうした研究から生まれた成果の1つです。 |
事業部としては、超高感度光センサである光電子増倍管や各種光源を開発している電子管事業本部、民生機器をはじめ通信、医療など幅広い分野に応用されている各種光半導体素子を開発する固体事業部、主に画像処理・計測装置を開発しているシステム事業部、そして半導体レーザーの開発・製造を業務とするレーザーグループがあります。開発された各製品は医療、バイオ、通信、学術研究をはじめ、各種産業分野でキーデバイスとして活躍しています。
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光空間伝送は研究対象の1つでしたが、「光無線システム」は、むしろ弊社のキーデバイスを使えばこんなこともできますとアピールする見本のようなつもりでデモ展示をしていました…が、ある時N放送局より放送用システムを共同開発したいとの申し出があり、現在に至っています。 |
<職場風景、ある1日>
職場風景といってもこれまで「光無線」は、研究・開発、営業兼マーケッティング、試作等の混成プロジェクト(従って製造と呼ぶ部署はありません)でしたので、職場も異なり、これが定型的な風景といったものは思い当たりません。各自担当の仕事を思い思いにしています。大変自由度は大きいのですが、もともと小人数のプロジェクトですので、基本はオーバーワーク気味です。また、仕事柄、社外での作業の時は大小のチームで出かけます。
以下の文中には多少のフィクションと誇張があると思って読んでください。
2000年8月×日 O市 「学校インターネット」設置・調整工事
朝、ホテル出発前に日程確認。 9:00 現場到着。今日も暑くなりそう。設置された光無線装置の調整と検収のため、計測機器をセット。11:30 午前の予定終了。食事中にデータ取得。
午後、屋上は一段と暑い。他の作業をしているお兄さん達も30分ローテ(日向での作業時間)に移行した。コンピュータ室とは20℃位気温差がある感じがする。たまの屋外仕事は健康的で良いが、夏と冬はやはり避けたいとつくづく思う。16:30 本日の作業終了。データ取得装置をセットし、ホテルへ戻る。今晩もビールが美味しい。 |
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○月△日
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3日振りに出社(出張帰りです)。溜まったメールを処分。もう11:00。D社さんから依頼された実験システムの進捗状況を確認。やはり芳しくない。言い訳を考えつつ自分の分担を行うため、実験系をセット。午後、実験開始早々に電話。別件の仕様、提出資料作成が飛び込む。終了16:00。夕方、メールを処理しながら研究報告のレポート作成。今日もまとまった実験ができなかった。まあ、明日があるさ! |
×月□日 Y市
遠くにランドマークタワーが見える。ここの屋上は、眺めも良く海風が爽やかだ。
昨日からお客さんと光無線の実験装置の調整。弊社の特徴か、製品ではなく実験装置などの特注も多い。この仕事は手間が多く儲からないが、光無線の可能性を広げるためには微力ながらもお手伝い。 |
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この仕事を始めたばかりの頃は、光無線なんて使えないと皆さんが仰っていました。私自身もそう思っていました。しかし、最近は風向きが変わってきた感じがします。採用ユーザー数の増加もさることながら、空間光伝送の特性を調査・研究したいと要望される方々も多くなってきています。
つまらないことを書いていましたら、10月より本プロジェクトが独立した部署になってしまいました。名称は開発本部光通信事業化グループで、一種の社内ベンチャー的な立場となりました。今後は成果としての利益を問われますので、ある意味大変です。これまでのように気ままには出来なくなりそうです。
浜松ホトニクス株式会社 開発本部光通信事業化グループ 若森和彦
光無線LAN製品のホームページ
http://www.hpk.co.jp/jpn/topics/linertop.htm