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December 15, 2001
TOPICS-01013

KISTA出張報告−IEC/TC76委員会に出席して
(国際電気標準会議/技術委員会No.76:レーザー・LEDの安全規格)

スウェーデンの首都ストックホルム近くキスタで開かれたIEC/TC76委員会への出席のため、11月10日(土)成田を出発した。今回は9月11日の同時多発テロの影響を受けて、NATO加盟国以外の国の飛行機が安全だろうということで、オーストリア航空を使うことになり、一度ウィーンへ立ち寄ってからストックホルムへ入ることになった。飛行機は70%くらいが空席で、乗客はゆったりと席を使って過ごすことができた。

IEC/TC76の会議が開催された都市
会場(ELECTRUM)の外観:午前9時頃の風景 車窓から見るKISTAの風景

スウェーデンに到着した翌日はストックホルムの市街に出て散歩した。街の中にスケートリンクが作られ、小さな子供から白髪のお婆さんまで音楽に合わせてスケートを楽しんでいる。レストランに入って間もなく、強い風とともに雨が突然降り出し、驚かされる。

11月12日(月)から会議が始まる。会場はホテル近くの工業大学の校舎を借りて行なわれる。朝歩く道の水溜まりには2cmくらいの氷が張っており、スキー場のような寒さを感じる。会議は午前、午後、夕方と3つの時間帯に別れ、朝の9時から夜の8時くらいまでワーキンググループに別れて議論が行なわれる。英語で議論が始まると、全てを聞き取ることは難しい。英語の表現について(例:mayとcan)の議論が行なわれている点が興味深かった。この英語表現については会議全体を通じて問題となり、各ワーキンググループに編集担当者が置かれて英語表現に責任を持つことになった。

プレナリーセッションでの審議 昼食風景: Mr. Weiner と日本のTC76委員のメンバー
WG5(光通信関連)の審議 スウェーデンの300年前の民家を改造したレストランにて

今回の出張では、屋外光無線装置について、10社を超えるアメリカ企業がIECを舞台に自分達だけで標準化を仕掛ける可能性があるか調査したが、特にそのような動きは見られず、むしろ日本企業のまとまりのある動きに彼等は驚きを示していた。また、IECの安全問題以外の光無線装置についての情報交換を行なうリエゾンパーティーとして、ICSA協議会が手を挙げた。WG5でICSA協議会の活動について説明をして、リエゾンとしてITU(国際電気通信連合)とともに正式に認知された。 

会議室外のロビーにて 会議も終わり・・・・・
橋の上から釣りを楽しむ
スウェーデン電気・機械協会のスタッフと
TC76の委員長

2回目のプレナリーセッションが11月16日(金)の午前中に終わったので、午後にストックホルムの市街に出て散歩する。冷たい風が強く吹き、スウェーデンの人たちが帽子を被っている意味を体感する。

ストックホルムは至る所に水路があり、地下鉄はその下をくぐるので深い岩盤をくりぬいて作られている。駅の岩盤には、所々彩色が施され、絵が描かれていた。
岩盤を掘り抜いて作られた
地下鉄駅構内の壁画

スウェーデンでの自由時間は少なかったが、11月14日(水)の夜に、ストックホルムのオペラハウスでプッチーニのボエームを聴いた。舞台は昔のパリとは思えない現代風な作りだったが、しばし恋するミミとロドルフォの歌声を楽しんだ。
スウェーデン王宮:真昼なのに太陽の位置が低く夕方のように思える
帰りは、来る時と同じようにウィーンに寄ってから大阪経由で羽田に着いた。冬の東京がとても暖かく感じられた。
左下に大砲が見える

ソニー(株)BSNC開発部 乙部 孝 (屋外光無線部会長)


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