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January 15, 2002
TOPICS-02004 参考資料

ラストワンマイル構成における 1:n アクセスの伝送パフォーマンス

1.光無線によるアクセス系

光無線を使うと電波のような混信問題も無く、有線のような電線による美観阻害もない形で図1にように高速のアクセス系が構築可能になります。交換局からの太い回線(100Mbps〜1Gbps)は、M1〜M2のように中継されて基地局(C1、C2)から各ユーザ回線S1〜S4へ配信されます。また、交換局へ基地局(C3)を置いて直接各ユーザへ配信することもあります。

なお電源については、当面は商用電源を使い将来は省電力化を進め太陽電池、燃料電池を組み合わせてスタンドアローンの基地局を想定しています。

図1: 光無線によるアクセス系

2.光無線装置

光無線での1:n構成は、複数の装置と信号をやり取りする基地局の構成として、現状は図2に示すように一つの筐体に複数の光学系を納めたものになります。例えば、海外のエアファイバー社では、円筒形の筐体に複数の光学系を納めて、それらが独立して動作するように構成されています。

図2: 光無線基地局

3.ネットワーク構成

ネットワークの構成としては、上記の各光学系が独立したネットワーク要素となります。例えば、1:nの基地局側の構成としては、LANスイッチ機能が内蔵されている装置で、上流となる交換局接続が100Mbps、個々の光学系が接続される利用者接続が10Mbps程度の特性を持つ、有線LANのスイッチングHUB接続とほぼ同様の機器となります。基地局でのネットワーク構成は図3のようになります。

スイッチングHUB接続では、通常使用の場合ですと、上位接続に対して20〜30台程度まであれば大きな問題となりません。但し、通常のスイッチングHUBでは、特定のパソコンが大量のデータ伝送を行なった場合、他のパソコンでは遅延が発生する等の問題があります。ICSAの構想では、利用者へのサービスの平等化を考慮した帯域制御機能(帯域競合が発生した場合、利用者帯域を平等に割り当てる機能)を設けることを検討しています。

また、通常のスイッチングHUBでは接続パソコン間の通信が可能ですが、ICSAの構想では、各利用者のデータセキュリティーを考慮して上位との通信に限定する機能を設けることも検討しています。

なお、光無線と光ファイバはそれぞれ特徴がありますので、設置に要する時間、設置コストなどを勘案してシステムを設計することでコストパフォーマンスの優れたシステム構築が可能です。


   
図3: 基地局のネットワーク構成

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