屋外光無線通信システム導入ガイドライン |
◆◆ 目 次 ◆◆ |
まえがき
光無線は、伝送媒体に光を使うことから、本質的に電波に比べて広帯域を実現することが容易です。また、電波で問題になる、オーバーリーチや、管理できない反射波による情報の漏れの問題が起きにくく、情報セキュリティの観点から安心感が大きいという特徴があります。さらに、光は電磁波としてはテラヘルツという非常に高い周波数帯になるので、電波法の規制を受けずに自由に無線回線を張ることが可能であることから需要に即応しやすい特徴があり、近年のIPネットワークの拡大と相まって関心が高まっております。
また、光無線は媒体として直進性の強い光を使うことから、大きな鳥などが光路を遮ることによる瞬断があり、見通しを悪くする霧や雪、大雨などの影響を受ける場合がありますが、瞬断については、ネットワーク上位層での再送、あるいは、最近使われることの多いイーサネットでのデータリンク層での再送機能により、ユーザーから見て障害になりにくくすることが可能であり、また気象の影響については、伝送距離と光無線装置の伝送余裕との兼ね合いを適切に取ることで、回線障害の起こる確率を十分小さくすることが可能です。
一方、ユーザーの立場で光無線を見ると、カタログでの言葉や仕様の定義が各社で異なり、設置寸法や電気インターフェイスも各社で異なるなど、必ずしも使いやすい状況にありません。また、課題を抱えたユーザーが最適な光無線装置を選択してシステムを作るための情報も必ずしも十分とはいえない現状があります。
光無線通信システム推進協議会(ICSA)では、上記の課題の解決に向けた第一歩として、屋外光無線に関してユーザーの方々に理解を深めていただき、また光無線の開発、商品化、設置、システム化に役立てていただくことを目的に、「屋外光無線通信システム導入ガイドライン」を作成しました。
今後、このガイドラインが光無線の普及に向けて、お役に立てれば幸いです。