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June 15, 2001
屋外光無線通信システム導入ガイドライン
◆   目    次   ◆
まえがき 第1章  屋外光無線の概要 第2章  伝送品質
第3章  機械インターフェイス 第4章  電気インターフェイス 第5章  仕様表現

第3章  機械インターフェイス

本章は、当協議会が推奨する光無線装置の設置や架台との接続方法を示す。

3.1 設置方法

光無線装置の取り付けは設置作業や保守を容易にするため、まず架台を強固な場所に取り付け、その上に雲台を含む本体を搭載する方法を推奨する。取り付けの種類は設置場所により以下の方法がある。

(1)   直置き設置 建物の屋上等の床面に設置する。
(2)   吊り下げ設置 建物の軒下等に吊り下げる。
(3)   壁面設置 建物の壁面に設置する。
(4)   柵跨ぎ設置 建物の屋上周囲の柵等に設置する。
(5)   ポール設置 支柱に設置する。
(6)   窓越し設置 建物の窓越しに設置する。

3.2 設置の留意点

光無線装置の伝送品質を確保し、かつ安全に使用するための設置の留意点を示す。

(1) 一般的な留意点

  • 背景光
    東西方向の設置は太陽光の入射に注意する。また対向装置が建物内に設置され、窓越しに通信する場合、窓ガラスからの太陽光の反射に注意する。
  • 光波減衰
    窓ガラス越しの通信はガラスの透過特性による光波減衰に伴う伝送マージンの低下に注意する。
  • 遮蔽物
    光伝送路が物理的に遮られない場合でも、排気口、煙突等の直近を通過する場合、蒸気や熱気による光波減衰やシンチレーションの増加が想定されるので設置を避けることが望ましい。
  • 鳥の飛来(高い頻度で予測される場合)
    装置前面に鳥の止まるスペースを設けないこと、または鳥避けの器具の設置することが望ましい。
  • 複数台の設置
    光は非干渉であるので光路が交差しても、また複数台の装置が集まっていても、問題はない。ただし、装置同士の視野角が重なる場合には混信の可能性があるので、メーカーに相談していただきたい。
  • 建築基準法
    建物に設置する場合、建築基準法に沿った工事をする。
  • PL法
    壁面、軒下、柵への設置で装置が落下する危険性がある場合、PL法の関係から落下防止処置を講ずることが望ましい。ただし、建物の外壁面については落下の危険性があるため、設置しないことが望ましい。
  • 眼の安全対策
    安全問題は、最終的には運用者が責任を負うので、安全規格(IEC60825)等に準じて、送信側、受信側それぞれの管理レベルを決めること。詳しくは、「3.5 IEC60825 part12に基づく設置に関するガイドライン」を参照のこと。  装置は光路上を人が往来しない場所に設置する。また前方から容易にのぞきこめる場合は柵等を設ける。ただし、人が入らないように管理されている区域の場合には、その必要はない。
  • フード
    なるべく太陽光、雨、雪が直接機器に当たらない場所に設置する。場所によりフード等を使用する。
  • 振動
    周囲に装置を振動させる機器がない場所に設置する。

(2) 直置き設置の留意点

  • 架台はアンカー等で転倒防止策を講ずる。
  • 屋上にアンカーを打つ場合、床面の防水機能が損なわれないようにする。
  • 屋上の定期的な防水工事による機器の移設を考慮する。
<直置き設置例>
図 3-1

(3) 吊り下げ設置の留意点

  • 鉄骨等の軒は降雪あるいは温度変化による変形を考慮する。
  • 雨垂れの影響を考慮する。
<吊り下げ設置例>
図 3-2

(4) 壁面設置の留意点

  • 建物の外壁面には設置しない。
<壁面設置例>
図 3-3

(5) 柵跨ぎ設置の留意点

  • 柵の強度を十分確認する。
  • 屋上等の手すり(柵)は、強度が確保できないため、設置しない 。
  • 重心位置が柵内(建屋内)になるようにする。
  • 建屋の壁面より外へはみ出さないようにする。
  • 公道にはみ出さないようにする。
<柵跨ぎ設置例>
図 3-4
(6) ポール設置の留意点
  • ポールは装置を設置した上で、建物の振動、風による影響がないよう、十分な強度が必要である。
  • 風速 60 m/s時、ポールの振れ角は1度以内とすべきである。
  • ポールへの設置は、アームを用いる方法と直接ポールへ固定する方法がある。
  • 装置の設置は、装置を載せた雲台を直接又はインターフェイス板を介して行う。
図 3-5
     
<設置例 アーム使用時>
図 3-6
(7) 窓越し設置の留意点
  • 窓の種類によっては光ビームを大きく減衰させるものがあるため、注意が必要である。
  • 屋外との温度差によりガラス面に水滴が付着して減衰が大きくなることがあるので、温風吹き付けなどでガラス面の昇温が必要な場合がある。
  • 装置とガラス面の角度により、光ビームを大きく減衰させる場合があるので注意が必要である。
図 3-7

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