TOPICS協議会光無線LINK集LibraryQandA
03/11/2005
屋外光無線通信システム導入ガイドライン-コンパクト版
  はじめに   
第1章 屋外光無線の概要 第2章 利用事例 第3章 伝送品質 第4章 設置
第5章 インタフェース 第6章 レーザ・LEDの安全 補足 I カタログ仕様 補足II 推奨MIB

第1章  屋外光無線の概要

近年のIPネットワークの急速な拡大とともに、自由に伝送路を確保することができる無線回線は、導入・設置が容易かつ迅速に行なえ、その導入コストも小さいことから関心が高まっている。光無線も、こうした無線通信を実現する手段の一つであり、例えば無線LAN等で使われる電波(2.4GHzとか5GHz等)の代わりに光を情報の伝送媒体として利用して、離れた2地点間の通信や信号伝送が行なうものである。

光無線の伝送媒体である光波は、電波と比べて非常に高い周波数領域にあることから電波法の適用対象外となっていて、使用に当たって免許が不要であり自由に利用できる。

また、光は他の電磁波との干渉が無いので、混信による性能低下もなく共用も可能である。さらに、電波のような拡散がないため、管理できない反射波による干渉の影響や盗聴といった問題が生じ難く、ビル街のような場所でも見通しさえとれれば利用可能であり、セキュリティーに優れている。そして、当然ながら広帯域であり、ファイバー通信と親和性が高い、大容量の通信回線を確保することが可能である。

利用イメージの一例として、ビル間のネットワーク接続を図1-1に示す。屋上やフロアの窓際に光無線装置を設置し、LAN-SWなどを介してそれぞれのネットワークに繋ぎ込むだけで簡単にネットワーク環境が構築できる。この他に、遠隔の監視映像やカメラ制御信号の伝送やITSでの利用等が実現されている。また近年、移動体通信基地局間の通信路としての利用も始まっている。

一方、利用者にとって屋外の自由空間を伝送路とする屋外光無線は、霧や雪、大雨などの気象の影響や鳥などが光路を遮ることによる瞬断が懸念されるところである。しかし、こうした問題は、光無線の特性とシステム要求を適切に評価することでリスクを十分小さくすることが可能である。

図1-1 ビル間ネットワーク接続

部会活動状況のページに戻ります→Back
このホームページの著作権は、特定非営利活動法人 日本フォトニクス協議会に属します。
無断転用・転載を禁止します。