(3) その他の屋外光無線装置
屋外光無線装置接続の場合。上記以外にも、次のような代表的なものがある。
(ア) |
リピータ接続屋外光無線装置 |
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接続形式としては光ファイバの延長装置であり、本接続の屋外光無線装置は、光ファイバ上の光仕様(波長、信号レベル等)の制約による。デジタル信号伝送等のプロトコルの制約を受けない仕様となる。 |
(イ) |
携帯電話基地局用屋外光無線装置 |
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携帯電話の不感地帯対策等に使用される。携帯電話の基地局と不感地帯に設置された増設アンテナ間でCDMA変調信号を伝送する。 |
(ウ) |
ビデオ接続 |
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ビデオカメラ・モニタを接続し、画像伝送を行う構成。オーディオ伝送やカメラ等の遠隔操作用の信号伝送も同時に行なう場合がある。 |
(エ) |
Fiber Channel 接続 |
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SAN(Storage Area Network )における各種ストレージデバイスの接続をFiber
Channel にて行なう構成である。 |
5.2 保守・運用
(1) 管理装置の接続形態
(ア) |
外部接続−アウトバンド接続 |
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管理機能は、屋外光無線装置とは別の管理装置で行なう形式の一つであり、接続通信装置とは別のインタフェースで行なわれる。 |
図5-3 管理装置接続形態(アウトバンド接続)
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接続する管理装置との接続インタフェース・プロトコルは、以下のものが多い。 |
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@ V.24(RS-232) 非同期通信 : |
パソコン(PC)や簡易端末が接続されることが多い。 |
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A LAN(10Base-T , 100Base-T等) : |
管理用の通信プロトコルとしては、Telnet やSNMP(Simple Network Management Protocol)が多い。 |
(イ) |
外部接続−インバンド接続 |
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管理機能は、屋外光無線装置とは別の管理装置で行なう形式の一つであり、接続通信装置(通常はLAN)経由のインタフェースで行なわれる。一般には,Telnet、SNMP、HTTP(WWW 用プロトコル)等による管理となる。 |
(2) SNMPに関して
一般に、LAN上での機器管理にはSNMP が多く使用されている。SNMP を使用した管理システムでは、管理対象機器内にSNMP
エージェントと呼ばれる機能が内蔵され、このSNMP エージェントと管理装置であるSNMP
マネージャ間の通信により、各種の管理が実現される。
(ア) |
MIBについて |
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SNMPマネージャで、対象装置内の各種管理項目を理解させるために、MIB (Management
Information Base)と呼ばれる形式に従った管理項目記述ファイルが用意されている。当協議会(ICSA)の推奨する屋外光無線装置のMIB管理項目については、捕捉資料[推奨MIB]を参照されたい。 |
(イ) |
SNMPマネージャ |
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SNMP マネージャは、管理装置であるPC 等で動作するソフトウェアである。このSNMP
マネージャソフトウェアにMIB を含む管理対象機器情報を組み込んで、SNMP管理システムが構成される。 |
5.3 ネットワーク構成の留意点
(1) ネゴシエーションの設定
屋外光無線装置と接続されるネットワーク側機器のインタフェースのネゴシエーションを一致させる。特に、双方の機器がオートネゴシエーション[Auto]と全2重固定[Full]の設定で接続されると通信速度が著しく低下する。通常、[Auto-Auto]または[Full-Full]の設定とすることが望ましい。
(2) クロック・制御信号
WAN接続の場合、屋外光伝送装置よりクロックを提供(ST2設定)するか、あるいは屋外光伝送装置をケーブルの延長として、接続通信装置側よりクロックの提供を受ける(ST1 設定)のかを明確にしておく必要がある。また、WAN(通信キャリアの局)よりの制御信号を生成したり伝送する機能が必要とされる場合がある。
(3) コネクタ・ケーブル
使用するコネクタやケーブルについて正しく使用する必要がある。光ファイバの場合、シングルモードファイバとマルチモードファイバがあり、注意を要する。
(4) 送受信波長
光ファイバの場合、通信装置から光ファイバ経由で伝送される光の波長を一致させる必要がある。現在、光ファイバ伝送には、850nm、1310nm
及び 1550nm がある。
(5) SNMP
使用するプライベートMIB は登録されたSMI コードが使用されなければならない。
またSNMP マネージャは使用するプラットフォームPC/WS、OSに対応しているか、SNMP
マネージャ上のアプリケーションソフトウェアが必要か等の点に留意する。