TOPICS協議会光無線LINK集LibraryQandA
03/11/2005
屋外光無線通信システム導入ガイドライン-コンパクト版
  はじめに   
第1章 屋外光無線の概要 第2章 利用事例 第3章 伝送品質 第4章 設置
第5章 インタフェース 第6章 レーザ・LEDの安全 補足 I カタログ仕様 補足II 推奨MIB

第6章  レーザ・LEDの安全

光無線装置からの光放射による、潜在的な危険から人体を保護することや、製造、設置、サービス、運用体制において、適切な予防策を促す必要がある。このために、IECでは、「情報伝送のための光無線通信システムのための安全」についてIEC60825 Part12 へ規定している。本規定の要件等について概要を以下に述べる。光無線データ伝送用機器の取り扱いに関してご参考とされたい。尚、装置のクラス分けに関してはIEC60825-1およびJIS C6802「レーザ製品の安全基準」に記載されている。

[製造、設置、サービス、運用体制の要件]

(1) 一般事項: 設置場所の形態により、表6−1に従って制限される。

表6-1 製品のクラスとアクセスレベルに対する制限
設置場所の形態 許容される製品のクラスと設置条件 許容アクセスレベル
非制限区域
unrestricted location
クラス1又は2 - 制限無し
クラス1M又は2M - 設置条件1
クラス3R - 設置条件2
1又は2
制限区域
restricted location
クラス1,2,1M又は2M - 制限無し
クラス3R - 設置条件3
1,2,1M又は2M
管理区域
controlled location
クラス1,2,1M,2M,又は3R - 制限無し
クラス3B又は4 - 設置条件4
1,2,1M,2M,又は3R
3B又は4 - 設置条件4
非アクセス空間
inaccessible space
適用無し 1,2,1M,2M又は3R
図6-1 Commercial structures 図6-2 Residential areas
設置条件1: 例) 発光部から2m以内に人が立入れないようにする。
設置条件2: 例) 光路内に人が立入れないようにする。IPSやAPRを備える。
また、窓などから反射しないようにすること。
設置条件3: 例) 光路内に人が立入れないようにする。IPSやAPRを備える。警告表示。
窓などから反射しないようにし、スピルオーバを区域外に出さない。
設置条件4: 例) 厳重なIPSやAPRを備える。安全管理者による対策を実行する。
窓などから反射しないようにし、スピルオーバを区域外に出さない。

(2) APRの要件

  • NHZ全体を監視し、人体が被ばくしたことを検知して、所定の時間内に所定のレベルまで光パワーを低下させる。パワー低下中に、MPEを超える被ばくがないこと。
  • 機構の二重化など、一箇所の故障で機能が損なわれないこと。
  • クラス3B、クラス4の装置で単一の故障が検出されたときは、その運転を禁止する。

(3) 導入・サービス組織の要件(警告標識)

表6-2 警告標識に関する要件
アクセスレベル 設置場所の形態
非制限区域 制限区域 管理区域
1 不要 不要 不要
2 不要 不要 不要
1M 装置に隣接 装置に隣接
2M 装置に隣接 装置に隣接
3R 装置に隣接 & 入口
3B 装置に隣接 & 入口
4 装置に隣接 & 入口
Reference : IEC60825-12 Safety of free space optical communication systems used for transmission of information

【用語】

access level 光無線装置の設置により、人が被ばくする可能性があるレベル
access level 1 人体へ被ばくするAELがクラス1を超えないレベル
access level 1M 人体へ被ばくするAELがクラス1Mを超えないレベル
(以下同様にクラス2、クラス2M、クラス3R、クラス3Bと続く)
access level 4 人体へ被ばくするAELがクラス3Bを超えるレベル
AEL 被ばく放出限界: 各クラスで許容される最大被ばく放出レベル (accessible emission limit)
APR 自動出力低下 (auto power reduction)
controlled location 管理区域: 訓練を受け権限を与えられた者以外立入れない区域
inaccesable space 非アクセス空間: 通常は人が位置することが出来ない場所 (地表6m以上の空中など)
IPS 設置保護システム (installation protection system)
MPE 最大許容露光量: 通常の環境下で、人体に照射しても有害な影響を与えることがないレーザ放射のレベル (maximum permissible exposure)
NHZ-Aided 光学機器(双眼鏡など)を使用することによりNHZとなる区域
nominal hazard zone 公称障害区域(NHZ): 光放射が適用MPEを越える区域
restricted location 制限区域: 権限を持つごく一部の者は立入れる区域
spillover 受光部から外れ、実際には無効となる光。スピルオーバ
unrestricted location 非制限区域: どんな人でも制限なく立入り出来る区域

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