[1] 視程:気象台で観測されるデータの一種で水平方向の視認可能距離
屋外光無線通信においては、降雨や雪、霧など様々な気象条件が存在し、光波減衰はそれらの複合したものとなる。そこで、従来から見通し可能距離(対象物体からの光が観測者に届く距離。霧や雨で散乱・吸収が大きくなると遠くまで見えない→光波減衰量が大きい。)、すなわち視程は光波減衰量との間に相関があることが示されていた。このことは、ICSAをはじめ各機関で行なわれた実験データからも裏付けられている。(http://www.icsa.gr.jp/)
そこでICSA標準としては、東京における視程データ(図3-1)を稼働率算定のための標準資料とする。
この視程の累積確率から、式@で与えられる光波減衰量を元に個々の装置の所定距離による稼働率が計算される。
σ=13/V (dB/km) -----@ V:視程距離
(km)
本計算式の適用は、現状では0.8μm帯の波長域までにとどめる。
稼働率算出上、他の評価式を適用する場合はその旨を明記する。
[参考資料]
図3-1は、1989年から1999年までの10年間、東京気象台で観測した視程の累積分布確率を示したものである。この図から、稼働率99.9%以上を確保するためには、視程距離が約800mで動作できることが光無線装置に求められる。
例えば、ICSA標準距離1kmと明記する光無線装置は、視程距離約800mとなる減衰(16.2dB)を許容できるシステムマージンを有する必要があり、500mの装置ならば、8.1dBのシステムマージンを要する。
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